凸凹を喰え
将兵さんは終わりが見え始めていた。
あともう何年かすれば食べ終わってここから出て行ける。
自由になれるのに将兵さんは先に出て行った梅さんを『かわいそうだ』と言った。
理由を聞いたが言いたくないと拒否され、それ以降また黙々と目の前に浮かんでいる凹凸をゆっくりと食べ始めた。
俺もそろそろ食べ始めないとペナルティーがついてしまう。
仕方なく目の前に浮かんでいる凹を掴んだ。
すかさず止まっていた数字が動き出した。
全てを1と2の数字で管理されていて、食べるのが止まると数字も止まる。
一定の時間が来ると点滅を始めるので、点滅が始まったら休んでいる時間は終わりということだ。