凸凹を喰え
兎に角、この無限に浮かんでいる凹凸を全て食い尽くさないとこの世界から抜け出すことはできない。
あの時間を見てから一瞬の後、パソコンの世界の中に入り込んだ。
しかしここには何百年も前からいるヒトもいて、時計の無かった時代に生きているヒトもいる。
彼らは数度デジャブを見た後、瞬きをした一瞬の後、ここに居たと言った。
今日が何月何日か、はたまた何年なのか、はっきりとは分からない。
ここでは個々により生活サイクルが変わっているから一概に言うことができない。
このヒトたちがまだここにいるということは俺は一体いつまでここにいるのか。
先はまだ遠い。
喰う。
これが俺のすることだ。死ぬこともできない。
さして生きているのかも知れない。
意味のあることもしていない。
ただ目の前の味のないモノを喰っていくことのみ。
23:60
あの時間を見たことが全ての、それがこの世界で俺が居続けることの始まりだ。
【終】