♡溺愛boy×鈍感girl♡
少しして、人混みがだんだん空いてきた頃、どこかから「ピロリンッ」と聞き覚えのある音が鳴って、私はすかさずカバンの中からスマホを取り出した。
後ろから4.5人の集団が来ているのも気づかずに。
「「天瀬くぅーんっ!」」
その集団が私の横を通り過ぎようとした時。一緒にいた男の人たちを押しのけて派手な女子達が一気に群がる。
女子達の的になっている『天瀬くん』と呼ばれた長身の男の人が私にぶつかり、
いきなりのことにびっくりした私は思わず、持っていたスマホを手放してしまった。