悲しみに、こんにちは2
入家 皐月 1年5組
初めて彼を見たとき?
なるほど、噂になるレベルだ、うん納得だなあ
そんな感じ
「入家君を知らないとか、ユズ、ちょとおかしいよ〜」
クラスメイトが移動教室のとき話していた
彼女の名前は、亜弓ちゃん
「すっごく、かっこいいんだよお。入家君!!」
だからなんだと言いたい
お前はなんだ?入家君の母親かい?
「ほらほら、見てよ、あれが入家君だよー」
亜弓ちゃんが私の腕を引っ張って
運動場を指差した
サッカーをしている少年たちのなか
彼は確かに目立ってた
人形みたいに整った顔
伏せ目がちなアーモンドアイに長すぎるまつげ
指が通るような白い肌
まさに美少年の代名詞
「なんだ…チビじゃん」
でもそれだけだ
つまらんのう
「……………。ユズキ、あんた今、校内中の女子、敵に回したよ」
ラブちゃんの鋭いツッコミが入ったときは、もう手遅れだった