悲しみに、こんにちは2

あの襲撃のひき逃げ事件から2週間

何故か入家君は私のストーカーになった

あの時のひざの痣は消えかけていたが
彼の問題行動は日に日に重症化した

「あのさあ、入家君、君、何処までついてくる気かな?」


これは最早、警察レベル



「先輩の家って、ここ真っ直ぐなんすかねえ?」


彼は人の話を聞かないチビに成り果てた


私とたいして身長が変わらないチビは私の顔を覗きこんだ

「あのさあ、入家君」


「なんですか?」




「………私、今、誰とも付き合う気ないから。こういうの、全部無駄だから!!」



一瞬、私の発言に驚いた顔をしたが
彼はすぐさま乾いた笑顔を取り戻した


皮肉にもその顔は
私に彼を思いださせた


「……先輩、なんか勘違いしてるみたいですけど、俺、全然先輩のこと好きじゃないすから。
先輩って美人だけど、そうやって、男はみんな、先輩のこと好きだって思ってるのって、正直、痛いですね。
それに、実際、先輩って性格悪いし。」



……おい、誰だよ。入家 皐月が王子とか天使だとか言ったやつ。
……私と同じクズじゃねえかよう。
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