ブレスフル クリスマス
「差し出がましいようですけど、ちゃんと話した方がいいんちゃいます?」

思わず、そう言ってしまった。
言ったあとで
ホンマに差し出がましすぎるやろ!!
自分で自分にツッコミを入れる。

いらんこと言いやわ~・・・私・・・・・・。

しばらく沈黙が続いた後
突然、ケンジさんがこう言った。

『悪いんだけど、その携帯、捨てておいてくれるかな?』

「へっ!?」
『オレにはもう必要ないから』
「えっ・・・そんなん言われても・・・・・・」
『当分、そっちに行く用事ないと思うから取りに行けないし』
「じゃあ、送るとか・・・」
『ごめん、もう携帯の充電切れそうなんだ!じゃっ!』
そう言い放って、切られてしまった。


口調は特に不機嫌な感じとかじゃなかったけど・・・
“子ども”にあんなこと言われたらムカッとするよなぁ。
しかも、全然知らん子・・・。

でも・・・
ケンジさん・・・ちゃんと志穂さんに会いに行くんやろか?
私にとっては最悪な女でも
ケンジさんにとっては好きやった・・・
ひょっとしたらまだ好きな人なんかもしれんし
志穂さんだってあんな電話よこしてくるくらいやから
たぶん、ケンジさんに来てほしいんやんな。

私には関係のないことやけど
関わってしまった以上、すごい気になる・・・。

それにしても
どうしよう・・・この携帯・・・・・・。
捨ててって言われて、捨てられるもんと違うやん。
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