ブレスフル クリスマス
そんなことを考えながら
少し居心地の悪い気分でいると・・・

「透子先輩!」

聞き覚えのある女の子の声に
ギクッ!
っとして、ゆっくり声の方を振り返る。

「透子先輩、ここで待ち合わせですかぁ?」

うわぁぁ~・・・・・・
絵梨や・・・。

当然、隣には聡がおる。
やっぱり腕とか組んだりして
いかにも『デート中です!』って感じ・・・。
絵梨は嫌味なほどの笑顔で声をかけてきた。

こんなとこで会うなんて
最悪や・・・・・・。

「うん・・・まぁ、そんなとこ・・・・・・」
「あっ、もしかして、デートですかぁ~?」
絵梨がきゃらきゃら笑ってる。

なにがおかしいん?
なんでそんなこと聞くん?
私が聡にフラれて、そんな相手おらんこと分かってるくせに・・・。
聡かって困ったように黙ってニヤけてんと、なんかゆうたらどうやねん!!
今、私が惨めな思いしてるのん分かるやろ?
いくらホレてるゆうたかって
自分の女が人傷付けるようなこと言ってるのに黙って見てるなんか最低やわ!!

イヤや・・・もうこの場におりたない!!!

そう思っても、逃げるのもイヤで
強く拳を握って耐えてたら・・・


「お待たせ、トウコ」


ふわっと肩を抱かれて
こないだから電話越しに聞いてた
心地いい低音ボイスが
耳元でした。
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