ブレスフル クリスマス
私のものすごい戸惑った様子を察知したケンジさんが
私にしか分からんように片目を閉じて見せた。

あっ・・・!
そういう・・・・・・

「・・・うん!あの夜景のきれいなスイートルーム?」

私がいかにもいつも通り!って感じに言うと
「もちろん!」
ケンジさんが当然!って感じに
また片目を閉じて答えてくれる。

そこで初めて、ケンジさんが聡たちに視線をやった。

「あ・・・悪い、友だち?」
「うん、学校の友だち」

「トウコがいつもお世話になってます」

ケンジさん、2人に丁寧に
にっこり微笑んでそう言った。

聡の表情が凍り付いて・・・
絵梨なんか歯を食いしばるようにして
こめかみの辺りに青筋立ちそうなくらい悔しがってるのが分かる。


うっひゃ~っ!
気分ええなぁ~!!
ケンジさん、顔立ち整っててイケメンやし
背も高くてカッコいいもんなー!!
絵梨の大好物とちゃうん?
聡もビジュアルはまぁいい方やけど
ケンジさんと並んだらコールド負けもええとこや!
形勢大逆転!!


「じゃ、行こうか」
ケンジさんは私の肩を抱いてた手で
今度は私の手を
ぎゅっ
握った。

ケンジさんの手が大きくて温かくて
大人の男の人って感じで・・・
思わず、ドキッとしてしまう。

「トウコ?」

ぽーっとしてしまった私の顔を
ケンジさんが不思議そうに覗き込む。

アカン!しっかりしろ!!

「あ・・・うん!ほなな!」
私は聡と絵梨にそう言って
ケンジさんと手を繋いで
キャッスルガーデンをあとにした。
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