ブレスフル クリスマス
ふと
まきちゃんの向こうの方に目をやると・・・

うわっ!聡(さとし)や!!

とっさにまきちゃんを盾にして隠れる。

「えっ!なに!?」
ビックリして振り返るまきちゃんに
「シッ!静かにして!」
身をかがめて、声を潜めてそう言った。

私がまきちゃん越しに視線を向けている方へ
まきちゃんも視線を向けて
納得して
ちょっと呆れたようにひとつ息をつく。

聡が絵梨と楽しそうに話しながら
クラブハウスの方に歩いていく・・・。
腕なんか組んで・・・
ホンマやったら
私があの場所におるはずやったのに・・・。
って・・・まだあんなヤツに未練あるんか?私・・・。

「アンタ、まだあんなヤツのこと引きずってるん?」

聡と絵梨が行ってしまったのを確認して
私が今思ってたのと同じことを
まきちゃんが言った。

「そんなことないて、自分では思ってるねんけど・・・」
「っていうか、なんでアンタが隠れなアカンのん?悪いのはあっちやん!全然悪びれんと、堂々といちゃつきやがって!あのカス!!」
まきちゃんはめっちゃ男勝りな子で・・・
怒らせたらかなり怖い・・・。

「まきちゃん・・・落ち着いて」
私は苦笑いしながら、まきちゃんをなだめる。
「落ち着いてて!アンタのことやで!?」
そう、まきちゃんは
私のために怒ってくれてる・・・。
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