抱えきれないほどの花束をあげよう!
高2の夏休み前、敦美は職員室の享祐のところにやってきて届け出をした。
「夏休みのアルバイトか。
でも、君は冬弥が小遣いまでばっちりと与えてくれてるんじゃなかったかな?」
「そ、そんなことまで冬弥兄様は先生に言っちゃってるんですか!!」
「まぁな、絵描き友達だしな。
というわけで、許可できない。」
「許可してください!
じゃないと、私・・・美術部の合宿に出られません。」
「な、なんで・・・?」
「だって、冬弥兄様には学費と寮費しかお願いしてなくて。
それなのに、お小遣いまでくれたりするし。
あの・・・私が部活してるなんて言ってないんです。
す、すみません!」
「あ・・・そういうことか。
それなら、今から部活してるって話せばいいんじゃないのか?」
「だめですよ!そんな贅沢は許されません。
わかりました。私、美術部やめます。
もともと私の絵なんて才能のあるものじゃないし、雑用係ですから。
1年生でも十分務まりますよね。」
「それは困る!
今から、マネージャーを捜すなんて時期的に困るよ。
すぐに合宿もひかえてるしな。」
「じゃ、先生がバイトを許可してください。
それがいちばん簡単なことじゃないですか。
私、スーパーでもファーストフード店でも居酒屋でもがんばりますから。」
「おい、今言ったやつは危険がつきものなんだぞ。
酔っ払いにお尻を毎日触られたいのか?」
「みんながみんなそんなのじゃないと思いますけど・・・。」
「甘いな。夏の水商売の裏では恐ろしいことがけっこう潜んでいるものなんだぞ。
そうだ。バイト先だが・・・1日待ってくれないか。
俺の知ってる先で、頼める人がいる。
そこで、バイトするなら許可してやろう。」
「ほ、ほんとですかぁ!
よろしくお願いします。」
享祐は敦美が出ていくのを見てから、フウとため息をついた。
そして、思い立ったように電話をかけた。
「もしもし、享祐です。じつは夏休み中、ひとり鍛えてやってくれませんか。
はい、私の教え子なのですが事情があって稼がないといけなくて。
女子1名です。はい・・・あ、そうですか。ありがとうございます。
ではそちらに連れていきますので・・・よろしくお願いします。」
敦美に放課後、享祐からバイト先へ行くことを知らされたのだったが、敦美は半信半疑な面持ちで質問してきた。
「先生はバイト禁止といつも言っておられますよね。
で、どうして私は今回バイト先を紹介していただけるんですか?」
「び、美術部のためだ・・・。」
「合宿で私がいないとダメなんでしょうか?」
「当たり前だろ!このメンバーで部活をやろうって決めたのに、金が出せないからって留守番だって言い渡す方の身にもなってみろ。
それに美術部なんてバレーボール部みたいにチームワークなんて必要はないけどな、それでもせっかく同じ部で同じ目標持ってやってるんじゃないか。
たとえ、絵がへたっぴいなヤツでも数少ない親睦を深める時間でもあるし、合宿は大切だろ。」
「なんか・・・ボロクソにけなされてる気がするんですけど・・・。」
「で、来週日曜にバイト先に連れて行くから、予定をあけておいてくれ。」
「あの、どこなんですか?教えていただければ、私だけでも行けると思うし。」
「俺が行かないとバイトはできないんだ。それが約束でな。駅に9時待ち合わせだ。いいな。」
「はい・・・。」
「夏休みのアルバイトか。
でも、君は冬弥が小遣いまでばっちりと与えてくれてるんじゃなかったかな?」
「そ、そんなことまで冬弥兄様は先生に言っちゃってるんですか!!」
「まぁな、絵描き友達だしな。
というわけで、許可できない。」
「許可してください!
じゃないと、私・・・美術部の合宿に出られません。」
「な、なんで・・・?」
「だって、冬弥兄様には学費と寮費しかお願いしてなくて。
それなのに、お小遣いまでくれたりするし。
あの・・・私が部活してるなんて言ってないんです。
す、すみません!」
「あ・・・そういうことか。
それなら、今から部活してるって話せばいいんじゃないのか?」
「だめですよ!そんな贅沢は許されません。
わかりました。私、美術部やめます。
もともと私の絵なんて才能のあるものじゃないし、雑用係ですから。
1年生でも十分務まりますよね。」
「それは困る!
今から、マネージャーを捜すなんて時期的に困るよ。
すぐに合宿もひかえてるしな。」
「じゃ、先生がバイトを許可してください。
それがいちばん簡単なことじゃないですか。
私、スーパーでもファーストフード店でも居酒屋でもがんばりますから。」
「おい、今言ったやつは危険がつきものなんだぞ。
酔っ払いにお尻を毎日触られたいのか?」
「みんながみんなそんなのじゃないと思いますけど・・・。」
「甘いな。夏の水商売の裏では恐ろしいことがけっこう潜んでいるものなんだぞ。
そうだ。バイト先だが・・・1日待ってくれないか。
俺の知ってる先で、頼める人がいる。
そこで、バイトするなら許可してやろう。」
「ほ、ほんとですかぁ!
よろしくお願いします。」
享祐は敦美が出ていくのを見てから、フウとため息をついた。
そして、思い立ったように電話をかけた。
「もしもし、享祐です。じつは夏休み中、ひとり鍛えてやってくれませんか。
はい、私の教え子なのですが事情があって稼がないといけなくて。
女子1名です。はい・・・あ、そうですか。ありがとうございます。
ではそちらに連れていきますので・・・よろしくお願いします。」
敦美に放課後、享祐からバイト先へ行くことを知らされたのだったが、敦美は半信半疑な面持ちで質問してきた。
「先生はバイト禁止といつも言っておられますよね。
で、どうして私は今回バイト先を紹介していただけるんですか?」
「び、美術部のためだ・・・。」
「合宿で私がいないとダメなんでしょうか?」
「当たり前だろ!このメンバーで部活をやろうって決めたのに、金が出せないからって留守番だって言い渡す方の身にもなってみろ。
それに美術部なんてバレーボール部みたいにチームワークなんて必要はないけどな、それでもせっかく同じ部で同じ目標持ってやってるんじゃないか。
たとえ、絵がへたっぴいなヤツでも数少ない親睦を深める時間でもあるし、合宿は大切だろ。」
「なんか・・・ボロクソにけなされてる気がするんですけど・・・。」
「で、来週日曜にバイト先に連れて行くから、予定をあけておいてくれ。」
「あの、どこなんですか?教えていただければ、私だけでも行けると思うし。」
「俺が行かないとバイトはできないんだ。それが約束でな。駅に9時待ち合わせだ。いいな。」
「はい・・・。」