抱えきれないほどの花束をあげよう!
日曜の朝は敦美もそわそわと落ち着かなかったが、同室のみづほも敦美の様子に落ち着かなかった。
「ねぇ、敦美・・・いくら初めてのデートだからってそこまで緊張しなくていいんじゃない?
なんかあんた見てたら、私まで緊張しちゃうじゃないの!
そんなにカッコイイ人なの?
何してる人?」
「そ、それは・・・まだ、ちょっと聞かないでほしいんです。
お願いです。」
「そ、そうなの。でも、そこまで緊張しちゃう相手ってもしかしてかなり大人とか?
あ・・・そうなんだ。
それはけっこう敷居が高いっていうか、合わせるのが大変ねぇ。
どういうきっかけで、会うことになったの?」
「偶然というか・・・ちょっとお世話になることがあって・・・。
それで、今回初めて。あっ、時間なのでいってきますね。」
「がんばってね~!またいろいろとステキなお話待ってるわ!
いってらっしゃぁ~い。」
みづほが協力的なのはうれしいが、あまりにあれこれと詮索されるとどういって説明すればいいのかわからなくなってしまう。
とにかく、今はボロを出さないようにしなくては!と敦美は享祐のアトリエへと急いだ。
本当は享祐に会うだけなら、寮の管理棟に行けばいいだけのことなのだが、わざわざ本業である仕事場へ呼び出されたということは何か考えがあるのかな・・・と敦美は思った。
「こんにちは・・・。」
「やぁ、待ってたよ。もっと時間がかかるようなら、危うく君の服がなくなるところだったかも・・・だよ。」
「えっ!?」
そういわれて、アトリエの奥に入った敦美は声をあげた。
「これ・・・私の。どうして?」
キャンバスに笑顔いっぱいの敦美の顔があった。
そして、服は甘味処でアルバイトしていたときの和服姿だった。
「看板娘ならではのすてきな笑顔だよ。
俺もじつはこの娘のファンでね・・・。
妙な行動起こす奴さえいなければ、もっと続けてほしかったと思ってた。
だが、おかげで、この娘を独占できたともいえるんだけどね。」
「まぁ・・・先生ったら。」
「おぃ、2人のときはだな・・・」
「す、すみません。享祐ですよね。
何だか呼びなれなくて。」
「あんまり偉そうに聞こえたら遠慮なく言ってくれよな。
ふだんが冷たい印象だから、こういうときくらい目いっぱい優しくできればって思ったんだが、なんていうか・・・照れくさいというか、俺もどうしたらいいかよくわからなくて。」
そのイジイジした享祐の様子に敦美はプッと吹きだして笑っていた。
(けっこうかわいいかも。緊張してるのは私だけじゃないのね。)
「なっ、何をそんなに笑って・・・あっ、今もしかして、先生なのにかわいい~!とか思ったろ。」
「そ、そんなこと・・・ちょっとだけ・・・。えへへ。
それより、お昼どうします?食べに出ますか?」
「いや、じつはね、肉じゃがの材料とか買ってもらってきてあるんだ。」
「えっ?」
「最近、うちのクラスの男どもが敦美の味付けした肉じゃががうまかったって話をしてたろ!」
「ああ、調理実習の・・・ですね。
私の班の子がおすそ分けしたんですけどね。なんか大騒ぎになっちゃって。」
「俺も食べたいと思って。」
「あら?先生って料理はお得意だって叔母様から聞きましたよ。」
「それはそれ、敦美の作ったものが食いたい。
台所にたぶん、調味料とかいろいろそろってると思うからやってみてほしいんだ。
敦美が作ってる間、話をしながら俺はデッサンをするから。」
「ちょ、ちょっと待ってください。
私はモデルに来たのではないんですよ。」
「わかってる。わかってるけど・・・敦美は描きたい表情をいっぱい持ってるからつい・・ね。」
「だめですよ。いっぱいここに私の絵を並べちゃったら学校にもバレちゃうじゃないですか!」
「そのときは、モデルをやってもらったことにするさ。」
「そんなぁ・・・。」
「ねぇ、敦美・・・いくら初めてのデートだからってそこまで緊張しなくていいんじゃない?
なんかあんた見てたら、私まで緊張しちゃうじゃないの!
そんなにカッコイイ人なの?
何してる人?」
「そ、それは・・・まだ、ちょっと聞かないでほしいんです。
お願いです。」
「そ、そうなの。でも、そこまで緊張しちゃう相手ってもしかしてかなり大人とか?
あ・・・そうなんだ。
それはけっこう敷居が高いっていうか、合わせるのが大変ねぇ。
どういうきっかけで、会うことになったの?」
「偶然というか・・・ちょっとお世話になることがあって・・・。
それで、今回初めて。あっ、時間なのでいってきますね。」
「がんばってね~!またいろいろとステキなお話待ってるわ!
いってらっしゃぁ~い。」
みづほが協力的なのはうれしいが、あまりにあれこれと詮索されるとどういって説明すればいいのかわからなくなってしまう。
とにかく、今はボロを出さないようにしなくては!と敦美は享祐のアトリエへと急いだ。
本当は享祐に会うだけなら、寮の管理棟に行けばいいだけのことなのだが、わざわざ本業である仕事場へ呼び出されたということは何か考えがあるのかな・・・と敦美は思った。
「こんにちは・・・。」
「やぁ、待ってたよ。もっと時間がかかるようなら、危うく君の服がなくなるところだったかも・・・だよ。」
「えっ!?」
そういわれて、アトリエの奥に入った敦美は声をあげた。
「これ・・・私の。どうして?」
キャンバスに笑顔いっぱいの敦美の顔があった。
そして、服は甘味処でアルバイトしていたときの和服姿だった。
「看板娘ならではのすてきな笑顔だよ。
俺もじつはこの娘のファンでね・・・。
妙な行動起こす奴さえいなければ、もっと続けてほしかったと思ってた。
だが、おかげで、この娘を独占できたともいえるんだけどね。」
「まぁ・・・先生ったら。」
「おぃ、2人のときはだな・・・」
「す、すみません。享祐ですよね。
何だか呼びなれなくて。」
「あんまり偉そうに聞こえたら遠慮なく言ってくれよな。
ふだんが冷たい印象だから、こういうときくらい目いっぱい優しくできればって思ったんだが、なんていうか・・・照れくさいというか、俺もどうしたらいいかよくわからなくて。」
そのイジイジした享祐の様子に敦美はプッと吹きだして笑っていた。
(けっこうかわいいかも。緊張してるのは私だけじゃないのね。)
「なっ、何をそんなに笑って・・・あっ、今もしかして、先生なのにかわいい~!とか思ったろ。」
「そ、そんなこと・・・ちょっとだけ・・・。えへへ。
それより、お昼どうします?食べに出ますか?」
「いや、じつはね、肉じゃがの材料とか買ってもらってきてあるんだ。」
「えっ?」
「最近、うちのクラスの男どもが敦美の味付けした肉じゃががうまかったって話をしてたろ!」
「ああ、調理実習の・・・ですね。
私の班の子がおすそ分けしたんですけどね。なんか大騒ぎになっちゃって。」
「俺も食べたいと思って。」
「あら?先生って料理はお得意だって叔母様から聞きましたよ。」
「それはそれ、敦美の作ったものが食いたい。
台所にたぶん、調味料とかいろいろそろってると思うからやってみてほしいんだ。
敦美が作ってる間、話をしながら俺はデッサンをするから。」
「ちょ、ちょっと待ってください。
私はモデルに来たのではないんですよ。」
「わかってる。わかってるけど・・・敦美は描きたい表情をいっぱい持ってるからつい・・ね。」
「だめですよ。いっぱいここに私の絵を並べちゃったら学校にもバレちゃうじゃないですか!」
「そのときは、モデルをやってもらったことにするさ。」
「そんなぁ・・・。」