抱えきれないほどの花束をあげよう!
園芸部での敦美の様子や寮での話を享祐は聞かされていたが、思いついたように、享祐は敦美に人気の多いところに連れていけないことをわびた。
「あ、しょうがないですよ。私が卒業しちゃったらいくらでもいけるんですし、気にしないでください。」
「少しくらいならメガネをはずして、髪をおろして昔の俺になればごまかしはできるんだろうけど・・・それもなぁ。」
「そうですね。けっこう目立っちゃいますよね。そっちの方が・・・うふふ。」
結局、お昼をいっしょに食べて、話をして、敦美は絵のモデルをして、夕方には車で海辺へと出かけただけで休日が終わろうとしていた。
「あれ?どうしてメガネをかえて髪の毛をあげてるんですか?」
「学校みたいなダサイやつかけてられるかって。
それに、前髪をあげたのは敦美の顔がよく見たいからさ。」
「ぷっ、享祐ってときどき子どもみたいなこと言ってる。あははは。」
「なっ・・・これでもいろいろ気を遣ってるんだからなぁ!
ほんとに子どもみたいになれるんだったら、とっくに敦美を押し倒して・・・いや、何でもない。
そろそろ、寮まで送るよ。」
「そんなぁ・・・そんなことしたらバレちゃいますよ。」
「じゃあ、管理室側の駐車場のとこまでならいいだろう?
そうだ、来週はもう試験勉強だよな。
あっ、うちで試験勉強すればいい。わからないところは教えてやるぞ。」
「わざわざ勉強するために、享祐のところに行くの?
それダメですよ。
勉強にならないもの。」
「そんなことはないよ。
俺は美術以外も優秀なんだから。」
「それは認めますけど、享祐はじゃまばかりしてくると思うし。」
「そこまでお子様的なことはしないぞ!」
「きっとやりますよ。何かと話しかけてきたり、触ってきたり・・・私、来週は自分の部屋で試験勉強やりますから。
じゃましにきたり、電話もしてこないでくださいね。」
「それはないだろう!
何か俺の方が子ども扱いされてるよなぁ・・・。
俺は担任なんだからなっ!
ちゃんと君の進路だって考えてるんだから。」
「へぇ、初耳ですけど。
私の進路はどうなってるんですかね?」
「それは決まってるさ、俺の嫁さん!」
「えっ?ちょ、ちょっと・・・それって・・・まさかプロポーズなのですか?」
「あっ、そういうことになるか。はははは、気が早すぎたかな。
なんかすっごく気に入っちゃったからな。
敦美があんまりかわいくてさ。
こんな気持ちになったのは、社会人になったばかりのとき以来かな。」
「誰かその頃好きな人がいたんですか?」
「まぁな・・・その人は高貴な家に嫁いでしまったんだけどな。
俺はその頃は、美大卒で絵では食っていけない状態で、バイトばっかりしてたようなヤツだったから、見事に捨てられてしまった。
もうずっと過去の話だけどな。」
「私はこれからそういう思い出を作らなきゃならないんですよ。
先生だけ恋愛の思い出があるなんてずるいです。」
「そうかな。俺は今の敦美でぜんぜんかまわないんだけどな。」
「えっ。し、知りません。私、帰ります。ありがとうございました。」
「お、おお。真面目だな。じゃ、また。
もう、朝の会から真っ赤な顔するなよ。明日から学校では普通の先生だからな。」
「はい、さようなら。」
「あ、しょうがないですよ。私が卒業しちゃったらいくらでもいけるんですし、気にしないでください。」
「少しくらいならメガネをはずして、髪をおろして昔の俺になればごまかしはできるんだろうけど・・・それもなぁ。」
「そうですね。けっこう目立っちゃいますよね。そっちの方が・・・うふふ。」
結局、お昼をいっしょに食べて、話をして、敦美は絵のモデルをして、夕方には車で海辺へと出かけただけで休日が終わろうとしていた。
「あれ?どうしてメガネをかえて髪の毛をあげてるんですか?」
「学校みたいなダサイやつかけてられるかって。
それに、前髪をあげたのは敦美の顔がよく見たいからさ。」
「ぷっ、享祐ってときどき子どもみたいなこと言ってる。あははは。」
「なっ・・・これでもいろいろ気を遣ってるんだからなぁ!
ほんとに子どもみたいになれるんだったら、とっくに敦美を押し倒して・・・いや、何でもない。
そろそろ、寮まで送るよ。」
「そんなぁ・・・そんなことしたらバレちゃいますよ。」
「じゃあ、管理室側の駐車場のとこまでならいいだろう?
そうだ、来週はもう試験勉強だよな。
あっ、うちで試験勉強すればいい。わからないところは教えてやるぞ。」
「わざわざ勉強するために、享祐のところに行くの?
それダメですよ。
勉強にならないもの。」
「そんなことはないよ。
俺は美術以外も優秀なんだから。」
「それは認めますけど、享祐はじゃまばかりしてくると思うし。」
「そこまでお子様的なことはしないぞ!」
「きっとやりますよ。何かと話しかけてきたり、触ってきたり・・・私、来週は自分の部屋で試験勉強やりますから。
じゃましにきたり、電話もしてこないでくださいね。」
「それはないだろう!
何か俺の方が子ども扱いされてるよなぁ・・・。
俺は担任なんだからなっ!
ちゃんと君の進路だって考えてるんだから。」
「へぇ、初耳ですけど。
私の進路はどうなってるんですかね?」
「それは決まってるさ、俺の嫁さん!」
「えっ?ちょ、ちょっと・・・それって・・・まさかプロポーズなのですか?」
「あっ、そういうことになるか。はははは、気が早すぎたかな。
なんかすっごく気に入っちゃったからな。
敦美があんまりかわいくてさ。
こんな気持ちになったのは、社会人になったばかりのとき以来かな。」
「誰かその頃好きな人がいたんですか?」
「まぁな・・・その人は高貴な家に嫁いでしまったんだけどな。
俺はその頃は、美大卒で絵では食っていけない状態で、バイトばっかりしてたようなヤツだったから、見事に捨てられてしまった。
もうずっと過去の話だけどな。」
「私はこれからそういう思い出を作らなきゃならないんですよ。
先生だけ恋愛の思い出があるなんてずるいです。」
「そうかな。俺は今の敦美でぜんぜんかまわないんだけどな。」
「えっ。し、知りません。私、帰ります。ありがとうございました。」
「お、おお。真面目だな。じゃ、また。
もう、朝の会から真っ赤な顔するなよ。明日から学校では普通の先生だからな。」
「はい、さようなら。」