抱えきれないほどの花束をあげよう!
翌日、文化祭の初日で敦美たちは各クラスと各クラブの展示物や出し物を見学してまわった。
敦美は同じクラスの友達とまわっていたが、文化部の展示物が飾ってあるところでそれぞれ自分の所属するクラブの見学へと別行動をとることになった。
食堂前で待ち合わせることに決めて、敦美は園芸部の作品のところをまわった。
(相田先輩ってすごい!こんな切り株とか利用して、ちっちゃな別世界ね。
ミニサイズのサボテンがまるで、普通サイズのサボテンのような気がしてくる。
自分がちっちゃくなって、砂漠の国をうろついてる気がするくらい!)
「私のはかろうじてつぼみをつけた小菊ばかり。地味だったかしら・・・。
でも、色の濃い小菊ってすごく魅かれちゃうんだもの。」
「そうだね、エンジ色に濃い黄色。
それぞれきつい色使いなのに、あわさると目立つし、ゴージャスな感じすらしてる。
いい色の塊だ。
小菊集・・・いいアイデアだね。」
「せ、先生!!どうして、ここに?
そ、それは・・・。」
「君の育てた花を見にきたのさ。
思ったとおり、いい絵になったよ。」
「きゃっ!下書きしてる。
は、はずかしいからやめてください。」
「いいじゃないか。美術部の顧問が元部員の育てた花をスケッチするのくらい、俺の自由だろ?」
「それはそうですけど・・・。」
「っていうのは口実で、ここにいれば君に会えると思ってな。
最近、2人だけで会えない日が続いてたからね。」
「ここでこんな話をするのは・・・」
「そうだな。あ、明日、例のお兄さんが来るんだって?」
「ええ。冬弥兄様からお聞きになったんですか?」
「あ、ああ。で、もし、お兄さんがいっしょに住んでほしいと言ったら、君は引っ越しするの?」
「まだ、住まいとか何もきいていないんです。
でも、転校とか必要なら、きっと冬弥兄様から連絡があると思うんで、当分寮生活なのは変わらないんじゃないかと思うんですけど・・・。」
「もし、引っ越さなければならない状況になったら、俺のところに来ないか?」
「でも、そんなことをしたら先生が、やめさせられちゃうかもしれないじゃないですか!」
「かまわないよ。俺は、もともと学校の先生オンリーってわけじゃないからね。
いちおうこれでも、売れてる画家で、実業家でもあるからね。」
「自分はお金持ちですって自慢してるんですか?」
「君は貧乏くさい方がステキに見えるようだから、自慢はしていないんだけど、俺は君ひとりくらい養えるんだぞって自慢してるんだ!」
「ぷっ!何ですかそれ。
私がいっしょに住んじゃったら、先生は私が不機嫌なときにいつもホットケーキを焼かなければならなくなりますよ。」
「いいねぇ。怒った顔がケーキを一口食べるごとに幸せいっぱいな顔に変化するところは、いつも見ていたい表情だ。」
「もう・・・ぷっ!私、もうそろそろ食堂に行かなくっちゃ。友達と待ち合わせしてるんです。
明日の仮装とダンスの打ち合わせもしておかないと。」
「明日、芝居が終わったらぜひ、俺とも踊ってほしいんだが。」
「そうですね。私も踊りたいです。あっ、先生はどんな格好をしてくるんですか?」
「眠りの森の美女と踊るんだから王子様と言いたいところなんだが、海賊になって姫をかっさらうよ。」
「えぇ!まさか・・・別人になって?」
「当然!覆面はつけるけど、メガネなしだぞ。面白いだろ?」
「し、どうなっても知らないですよ。」
「姫を奪えるなら、何でもするよ。これ・・・マジだから。」
「楽しみにしてます。大福をほおばったお姫様をさらえるものなら来てください!」
「ああ。期待しててくれ!じゃあな。」
敦美は同じクラスの友達とまわっていたが、文化部の展示物が飾ってあるところでそれぞれ自分の所属するクラブの見学へと別行動をとることになった。
食堂前で待ち合わせることに決めて、敦美は園芸部の作品のところをまわった。
(相田先輩ってすごい!こんな切り株とか利用して、ちっちゃな別世界ね。
ミニサイズのサボテンがまるで、普通サイズのサボテンのような気がしてくる。
自分がちっちゃくなって、砂漠の国をうろついてる気がするくらい!)
「私のはかろうじてつぼみをつけた小菊ばかり。地味だったかしら・・・。
でも、色の濃い小菊ってすごく魅かれちゃうんだもの。」
「そうだね、エンジ色に濃い黄色。
それぞれきつい色使いなのに、あわさると目立つし、ゴージャスな感じすらしてる。
いい色の塊だ。
小菊集・・・いいアイデアだね。」
「せ、先生!!どうして、ここに?
そ、それは・・・。」
「君の育てた花を見にきたのさ。
思ったとおり、いい絵になったよ。」
「きゃっ!下書きしてる。
は、はずかしいからやめてください。」
「いいじゃないか。美術部の顧問が元部員の育てた花をスケッチするのくらい、俺の自由だろ?」
「それはそうですけど・・・。」
「っていうのは口実で、ここにいれば君に会えると思ってな。
最近、2人だけで会えない日が続いてたからね。」
「ここでこんな話をするのは・・・」
「そうだな。あ、明日、例のお兄さんが来るんだって?」
「ええ。冬弥兄様からお聞きになったんですか?」
「あ、ああ。で、もし、お兄さんがいっしょに住んでほしいと言ったら、君は引っ越しするの?」
「まだ、住まいとか何もきいていないんです。
でも、転校とか必要なら、きっと冬弥兄様から連絡があると思うんで、当分寮生活なのは変わらないんじゃないかと思うんですけど・・・。」
「もし、引っ越さなければならない状況になったら、俺のところに来ないか?」
「でも、そんなことをしたら先生が、やめさせられちゃうかもしれないじゃないですか!」
「かまわないよ。俺は、もともと学校の先生オンリーってわけじゃないからね。
いちおうこれでも、売れてる画家で、実業家でもあるからね。」
「自分はお金持ちですって自慢してるんですか?」
「君は貧乏くさい方がステキに見えるようだから、自慢はしていないんだけど、俺は君ひとりくらい養えるんだぞって自慢してるんだ!」
「ぷっ!何ですかそれ。
私がいっしょに住んじゃったら、先生は私が不機嫌なときにいつもホットケーキを焼かなければならなくなりますよ。」
「いいねぇ。怒った顔がケーキを一口食べるごとに幸せいっぱいな顔に変化するところは、いつも見ていたい表情だ。」
「もう・・・ぷっ!私、もうそろそろ食堂に行かなくっちゃ。友達と待ち合わせしてるんです。
明日の仮装とダンスの打ち合わせもしておかないと。」
「明日、芝居が終わったらぜひ、俺とも踊ってほしいんだが。」
「そうですね。私も踊りたいです。あっ、先生はどんな格好をしてくるんですか?」
「眠りの森の美女と踊るんだから王子様と言いたいところなんだが、海賊になって姫をかっさらうよ。」
「えぇ!まさか・・・別人になって?」
「当然!覆面はつけるけど、メガネなしだぞ。面白いだろ?」
「し、どうなっても知らないですよ。」
「姫を奪えるなら、何でもするよ。これ・・・マジだから。」
「楽しみにしてます。大福をほおばったお姫様をさらえるものなら来てください!」
「ああ。期待しててくれ!じゃあな。」