抱えきれないほどの花束をあげよう!
直弥は以前、敦美を愛人にしたいと言ってきたとき、フィアンセに決まっていた女性と結婚することで会社を救った。
そして、その女性の父や兄たちのアドバイスから、会社の規模縮小が提案され、直弥が社長としてやっていける規模の部分だけを与えられ、あとは妻の実家が買収する形で社員たちが救われた。
直弥はそれを見届けて家出をしてきたらしい。
離婚届を妻に送ったが、妻は受理していない。
そして、妻になった女性にはあと少しで生まれようとしている子どもがいる。
「敦美は会社を救ってくれた女性と子どもを犠牲にした上で、直弥と結婚したいと思っているのか?」
「私は・・・そんなの知らない。
知らなかったし、直弥兄様がそんなことしてたなんて・・・。
てっきり自力で会社を救って、規模を小さくして日本で細々とやっていくんだとばかり思ってた。
そんなひどいことする人だと思いたくない。
そこまで弱い人だと思いたくなかった。」
「彼は冬弥に比べて、素直すぎるんだ。
だから、騙されやすいし、経営には向かない。
それは本人がいちばん知っているんじゃないのかな。
守るものがある人間は時として意地悪で凶悪でなければならないときがある。
でもね、それは人としてやっていい範囲でだと思う。
とくに、家族になった人を利用しちゃいけない・・・そう思わないか?
俺は血のつながりのある最後の家族に完全に切られたから今がある。
じつの父親だった田神享我が妻と俺の年の離れた弟たちとの家庭を大切にしたから納得できてるのかもしれない。
まぁそれだって、叔母さんの養子になって説明してもらったからっていう理由が大きいけどな。」
「私、兄様たちと話をしたいです。
私は高校は普通に卒業したいの。
冬弥兄様がきついなら・・・私・・・。
直弥兄様には奥様のところに帰ってもらいます。
これから生まれてくる赤ちゃんがかわいそうですもの。
2人の間で赤ちゃんまでできたんなら、きっと愛情だってあると思うし・・・。」
「学費のことなら心配いらないぞ。
俺から冬弥にわたして、払ってもらうだけだ。
それが気に入らなければ、就職してから返してくれていい。
けどな、敦美はまだ園芸の専門学校に行くか大学に行ってもらわないといけない。」
「ちょ、ちょっと待ってください!どうしてそんなこと。
だいたい、そんなお金私は持っていません!」
「俺が出すから心配はいらない。
出すものは俺が出すから、俺が命令をくだす。
君は農学部のある大学に入学が決まっている。
そしてその先はうちの畑で農作業して、収穫したもので料理して俺を楽しませてくれる。
希望があればワイン作りでも、花作りでも紹介してあげるから希望を言いなさい。」
「それって傲慢なんじゃないんですか?
私は先生に学費を出してもらうことなんて考えてないし、進路の先だって決められたくありません。
私を思い通りにできるなんて思わないでください。
そんなことになるなら、私は普通に就活して、会社に入社します。
先生とはさよならです。」
「そうはならないって言ったら?」
「どういうことですか?」
「今、君を俺のものにして既成事実を作る。
そして、直弥、冬弥に俺が金銭面でバックアップをしてやる。
それなら文句ないだろう?」
「そんなの・・・先生がそんなことを言うなんて。
お金持ちの脅しじゃない・・・。
私、それなら、ここで舌をかみ切って死んでやるまでだわ!」
「お、おい!やめろって。
やめろ・・・嘘だ。そんなことを俺はしない。
敦美だってちょっとくらい俺の思いをわかってほしかっただけなのに。」
「先生の思い?」
「俺は敦美に嫌われるのを恐れてる。
どんな形でもいいから、敦美を傍に置きたい。
なんで、自分の生徒をこんなに愛してしまったのかわからないけど・・・好きだ。
学びたいことは何でもさせてあげたいし、俺にできることなら何でもする。
だから成長の妨げにならないように、必死に理性的に過ごしてきたけど、他の男に触れさせる気だけは絶対ない!
絶対嫌だ。敦美を愛してるのは俺だけじゃないと嫌なんだ!」
そして、その女性の父や兄たちのアドバイスから、会社の規模縮小が提案され、直弥が社長としてやっていける規模の部分だけを与えられ、あとは妻の実家が買収する形で社員たちが救われた。
直弥はそれを見届けて家出をしてきたらしい。
離婚届を妻に送ったが、妻は受理していない。
そして、妻になった女性にはあと少しで生まれようとしている子どもがいる。
「敦美は会社を救ってくれた女性と子どもを犠牲にした上で、直弥と結婚したいと思っているのか?」
「私は・・・そんなの知らない。
知らなかったし、直弥兄様がそんなことしてたなんて・・・。
てっきり自力で会社を救って、規模を小さくして日本で細々とやっていくんだとばかり思ってた。
そんなひどいことする人だと思いたくない。
そこまで弱い人だと思いたくなかった。」
「彼は冬弥に比べて、素直すぎるんだ。
だから、騙されやすいし、経営には向かない。
それは本人がいちばん知っているんじゃないのかな。
守るものがある人間は時として意地悪で凶悪でなければならないときがある。
でもね、それは人としてやっていい範囲でだと思う。
とくに、家族になった人を利用しちゃいけない・・・そう思わないか?
俺は血のつながりのある最後の家族に完全に切られたから今がある。
じつの父親だった田神享我が妻と俺の年の離れた弟たちとの家庭を大切にしたから納得できてるのかもしれない。
まぁそれだって、叔母さんの養子になって説明してもらったからっていう理由が大きいけどな。」
「私、兄様たちと話をしたいです。
私は高校は普通に卒業したいの。
冬弥兄様がきついなら・・・私・・・。
直弥兄様には奥様のところに帰ってもらいます。
これから生まれてくる赤ちゃんがかわいそうですもの。
2人の間で赤ちゃんまでできたんなら、きっと愛情だってあると思うし・・・。」
「学費のことなら心配いらないぞ。
俺から冬弥にわたして、払ってもらうだけだ。
それが気に入らなければ、就職してから返してくれていい。
けどな、敦美はまだ園芸の専門学校に行くか大学に行ってもらわないといけない。」
「ちょ、ちょっと待ってください!どうしてそんなこと。
だいたい、そんなお金私は持っていません!」
「俺が出すから心配はいらない。
出すものは俺が出すから、俺が命令をくだす。
君は農学部のある大学に入学が決まっている。
そしてその先はうちの畑で農作業して、収穫したもので料理して俺を楽しませてくれる。
希望があればワイン作りでも、花作りでも紹介してあげるから希望を言いなさい。」
「それって傲慢なんじゃないんですか?
私は先生に学費を出してもらうことなんて考えてないし、進路の先だって決められたくありません。
私を思い通りにできるなんて思わないでください。
そんなことになるなら、私は普通に就活して、会社に入社します。
先生とはさよならです。」
「そうはならないって言ったら?」
「どういうことですか?」
「今、君を俺のものにして既成事実を作る。
そして、直弥、冬弥に俺が金銭面でバックアップをしてやる。
それなら文句ないだろう?」
「そんなの・・・先生がそんなことを言うなんて。
お金持ちの脅しじゃない・・・。
私、それなら、ここで舌をかみ切って死んでやるまでだわ!」
「お、おい!やめろって。
やめろ・・・嘘だ。そんなことを俺はしない。
敦美だってちょっとくらい俺の思いをわかってほしかっただけなのに。」
「先生の思い?」
「俺は敦美に嫌われるのを恐れてる。
どんな形でもいいから、敦美を傍に置きたい。
なんで、自分の生徒をこんなに愛してしまったのかわからないけど・・・好きだ。
学びたいことは何でもさせてあげたいし、俺にできることなら何でもする。
だから成長の妨げにならないように、必死に理性的に過ごしてきたけど、他の男に触れさせる気だけは絶対ない!
絶対嫌だ。敦美を愛してるのは俺だけじゃないと嫌なんだ!」