抱えきれないほどの花束をあげよう!
都築陽向は何食わぬ顔をしながら話を続けた。
「僕の兄は都築デザイナーズカンパニーの社長をやっている。
僕は副社長ってことになるけど、田神享我は洋食器の世界ではとくに僕たちのじゃまばかりをしてくれた。
そして、兄の最愛の女性まで奪ったひどい男だった。
君の思い人の彼も、あいつの息子ではあるけれど、ある国の王女様とできてしまったから生まれた子だろ。
当時はあいつは親が決めた妻がいたからね。
しかし、病死してしまった。
周りを不幸にしていく男・・・だな。」
「どうしてそんなこと私に話すんですか?」
「僕はけっこう正直で誠実な男だと思わないか。
もちろん、相手が腹黒いやつならそれなりに知恵をふりしぼるけどね。
君は服装の乱れもないし、見た目真面目な女子高生だよね。
担任教師と陰で会ったりしてなければね。」
「あ・・・でも、私は先生とは出かけたり、話をしたりしかしてません。
信用してくれないかもしれないけど。」
「ほぉ、そこまで真面目ぶる?
じゃ、ちょっと試させてもらおうかな。」
都築は敦美の隣に座ると、敦美が瞬くする間も与えずに抱きしめ、唇にキスしてきた。
敦美はあまりに突然のことで、陽向の唇が自分のそれに触れたことに驚いたが、すぐに体中に力をこめて陽向の顔を右手で押し返した。
「いやぁ!!!何すんのよ。
金持ちだと思って、何でもなびくと思うな!!
誰が誠実だって!いやらしいことしたいだけじゃない。
おまわりさぁーーーん!!」
「うぉ!お、おい・・・やめてくれって。
すまない。悪かった。
君がどんな女なのか試しただけなんだ。
ごめん!!ほんとにごめん、謝るから、許してくれっ!!
この通りだ・・・。」
しばらくの沈黙の後に、恐る恐る顔をあげた陽向はにっこり笑った敦美に驚いた。
「な、何か?」
「ほんとだ・・・都築さんって正直みたいだね。
仕方ないから許してあげるわ。
そのかわり・・・交換条件よ。
あなたの知る限りでいいから、享祐さんがどうしてるのか教えて。」
「結婚していてもか?」
「そうねぇ。私が納得できるまでならいいわ。
私だって腹をくくるわ。
彼が幸せになったんだってわかったら、やめる。
それが私が私に納得できること。
べつにあちらの家をどうにかしようなんて思ってない。
ただ、知りたいだけ。
それならダメ?」
「了解。なんか君がかわいそうな気がするけど、それで君が納得できて前にすすめるなら、協力させてもらうよ。
それと、君が前に進めるようになったら・・・いや、これからよろしくな。」
「えっ?どういうこと。
あなたは私が言ったことも無視もできるし、お兄さんに私のことを享祐に捨てられた女の子だって言えばそれでいいんじゃないの?」
「いいだろうね。
けど、何だろう・・・僕が土下座までさせられた女の子に興味がわいた。
また会いたいと思った。
いい情報ばかりとはいかないと思うけれど、持ってくるように努力するから、また会ってくれるかい?」
「いいわ。ただし、友達としてよ。
変なことしたら、今度は本当に知り合いのお巡りさんにきてもらうから。」
「わ、わかりました。しっかりしてるなぁ・・・君は・・・いいなぁ。
あ、じゃ、またね。
ひとりで泣くなよ。泣きたくなったら僕が胸くらい貸してやるからな。」
「ぷっ・・・もう平気ですよーだ!さよなら。」
敦美は冬弥のマンションへと歩いてもどっていった。
「僕の兄は都築デザイナーズカンパニーの社長をやっている。
僕は副社長ってことになるけど、田神享我は洋食器の世界ではとくに僕たちのじゃまばかりをしてくれた。
そして、兄の最愛の女性まで奪ったひどい男だった。
君の思い人の彼も、あいつの息子ではあるけれど、ある国の王女様とできてしまったから生まれた子だろ。
当時はあいつは親が決めた妻がいたからね。
しかし、病死してしまった。
周りを不幸にしていく男・・・だな。」
「どうしてそんなこと私に話すんですか?」
「僕はけっこう正直で誠実な男だと思わないか。
もちろん、相手が腹黒いやつならそれなりに知恵をふりしぼるけどね。
君は服装の乱れもないし、見た目真面目な女子高生だよね。
担任教師と陰で会ったりしてなければね。」
「あ・・・でも、私は先生とは出かけたり、話をしたりしかしてません。
信用してくれないかもしれないけど。」
「ほぉ、そこまで真面目ぶる?
じゃ、ちょっと試させてもらおうかな。」
都築は敦美の隣に座ると、敦美が瞬くする間も与えずに抱きしめ、唇にキスしてきた。
敦美はあまりに突然のことで、陽向の唇が自分のそれに触れたことに驚いたが、すぐに体中に力をこめて陽向の顔を右手で押し返した。
「いやぁ!!!何すんのよ。
金持ちだと思って、何でもなびくと思うな!!
誰が誠実だって!いやらしいことしたいだけじゃない。
おまわりさぁーーーん!!」
「うぉ!お、おい・・・やめてくれって。
すまない。悪かった。
君がどんな女なのか試しただけなんだ。
ごめん!!ほんとにごめん、謝るから、許してくれっ!!
この通りだ・・・。」
しばらくの沈黙の後に、恐る恐る顔をあげた陽向はにっこり笑った敦美に驚いた。
「な、何か?」
「ほんとだ・・・都築さんって正直みたいだね。
仕方ないから許してあげるわ。
そのかわり・・・交換条件よ。
あなたの知る限りでいいから、享祐さんがどうしてるのか教えて。」
「結婚していてもか?」
「そうねぇ。私が納得できるまでならいいわ。
私だって腹をくくるわ。
彼が幸せになったんだってわかったら、やめる。
それが私が私に納得できること。
べつにあちらの家をどうにかしようなんて思ってない。
ただ、知りたいだけ。
それならダメ?」
「了解。なんか君がかわいそうな気がするけど、それで君が納得できて前にすすめるなら、協力させてもらうよ。
それと、君が前に進めるようになったら・・・いや、これからよろしくな。」
「えっ?どういうこと。
あなたは私が言ったことも無視もできるし、お兄さんに私のことを享祐に捨てられた女の子だって言えばそれでいいんじゃないの?」
「いいだろうね。
けど、何だろう・・・僕が土下座までさせられた女の子に興味がわいた。
また会いたいと思った。
いい情報ばかりとはいかないと思うけれど、持ってくるように努力するから、また会ってくれるかい?」
「いいわ。ただし、友達としてよ。
変なことしたら、今度は本当に知り合いのお巡りさんにきてもらうから。」
「わ、わかりました。しっかりしてるなぁ・・・君は・・・いいなぁ。
あ、じゃ、またね。
ひとりで泣くなよ。泣きたくなったら僕が胸くらい貸してやるからな。」
「ぷっ・・・もう平気ですよーだ!さよなら。」
敦美は冬弥のマンションへと歩いてもどっていった。