抱えきれないほどの花束をあげよう!
ひとりぼっちの卒業式?
享祐から電話だけかかってくる生活がまた再開した。
敦美も秋から北海道での実習目指して勉強を始めてしばらくした頃・・・。
「うっ・・・なんか気持ち悪い。
お腹が減ってきたら、吐き気が・・・。
あれ?そういえば生理がない・・・もしかして。」
敦美は同室の松田洋子に付き添ってもらって学校からやや離れたところのレディースクリニックへと行った。
「3週間目すぎたところかしら。
妊娠してますね。
相手の人は了解してもらえる人かしら?」
「ええ・・・たぶん。
でも、まだ私、言いたくないです。
私、卒業するまで会わないって言っちゃったものだから。」
「でも連絡はした方がいいわ。できる?」
「はい。」
正直に、享祐に言えば、住むところから全部決められて、子ども部屋から何でもやってしまいそう。
そう思ったら電話でいつもいう機会を逃してしまうのだった。
学校ではみんながまた文化祭で盛り上がる頃、ある雑誌に享祐が絵を描いたモデルとのスクープが出た。
冬弥から、ガセネタだからと連絡が入ったものの、敦美の心境は穏やかではなかった。
現に、ここ1週間電話もかかってこなかった。
「私には恋愛禁止めいたことを言っておいて、自分は何よ。
何も知らないから好き勝手やっちゃって・・・。」
そういいながら気になってしまった敦美は、休みの日に享祐のアトリエをのぞきに行った。
すると、長身の水着姿の美女が入っていくのが見えた。
(ほんとだったんだ・・・。人物は描かないとか言ってたくせに。)
敦美は逃げるように、アトリエを去っていった。
「あれ?これは敦美に買ってやったペンダント・・・まさか、来てたのか?」
享祐は慌てて、敦美に電話したが、敦美は電話には出なかった。
「うーん、まずいな。だからこういう仕事はしたくないっていったんだ。
冬弥のスタジオスタッフの彼女が記念に描いてほしいというから引き受けたけど・・・こりゃ、困ったことになった。」
敦美へ冬弥から電話が入って、冬弥は自分のスタッフの彼女がモデルを引退する記念に絵を描いてもらいたいといった経緯を敦美に説明したが、敦美はいい加減な返事をしただけだった。
「敦美ちゃん?どうした・・・?
なんか怒ってたような、泣いてたような・・・?」
そして、文化祭の当日、学校に出向いた冬弥は敦美の姿がないことに気が付いた。
冬弥は寮で同室の松田に事情をきいた。
「あの・・・お兄さんだから知っておいた方がいいですよね。」
「何だい?何かあった?」
「あの、敦美は妊娠してて、保健室で温かくして座っています。」
「なっ!!敦美が・・・どうして?相手は?」
「それは・・・敦美さんご本人にきいてください。
私がいうのはちょっと。」
冬弥は保健室で座っている敦美を見つけると事情を説明するようにと叫んでいた。
「享祐さんの子なの。
でも・・・言いたくない。
冬弥兄様も黙っててね。
卒業したらね、お母様のところに帰るの。
だから心配しないで。ね。」
「だめだよ。享祐にいうべきことは言わないと。
それに敦美は知ってるはずだ。
享祐が絵のモデルに手を出す男かどうか・・・。
今、描いてる娘はうちのスタッフの彼女なんだ。
独身の時の記念に絵を残したいっていうものだから、俺が連れていったんだ。」
「そう。べつにどんな人でもかまわないわ。
いいの。私・・・当分、誰にも会いたくないから。」
「お、おい・・・敦美!」
敦美も秋から北海道での実習目指して勉強を始めてしばらくした頃・・・。
「うっ・・・なんか気持ち悪い。
お腹が減ってきたら、吐き気が・・・。
あれ?そういえば生理がない・・・もしかして。」
敦美は同室の松田洋子に付き添ってもらって学校からやや離れたところのレディースクリニックへと行った。
「3週間目すぎたところかしら。
妊娠してますね。
相手の人は了解してもらえる人かしら?」
「ええ・・・たぶん。
でも、まだ私、言いたくないです。
私、卒業するまで会わないって言っちゃったものだから。」
「でも連絡はした方がいいわ。できる?」
「はい。」
正直に、享祐に言えば、住むところから全部決められて、子ども部屋から何でもやってしまいそう。
そう思ったら電話でいつもいう機会を逃してしまうのだった。
学校ではみんながまた文化祭で盛り上がる頃、ある雑誌に享祐が絵を描いたモデルとのスクープが出た。
冬弥から、ガセネタだからと連絡が入ったものの、敦美の心境は穏やかではなかった。
現に、ここ1週間電話もかかってこなかった。
「私には恋愛禁止めいたことを言っておいて、自分は何よ。
何も知らないから好き勝手やっちゃって・・・。」
そういいながら気になってしまった敦美は、休みの日に享祐のアトリエをのぞきに行った。
すると、長身の水着姿の美女が入っていくのが見えた。
(ほんとだったんだ・・・。人物は描かないとか言ってたくせに。)
敦美は逃げるように、アトリエを去っていった。
「あれ?これは敦美に買ってやったペンダント・・・まさか、来てたのか?」
享祐は慌てて、敦美に電話したが、敦美は電話には出なかった。
「うーん、まずいな。だからこういう仕事はしたくないっていったんだ。
冬弥のスタジオスタッフの彼女が記念に描いてほしいというから引き受けたけど・・・こりゃ、困ったことになった。」
敦美へ冬弥から電話が入って、冬弥は自分のスタッフの彼女がモデルを引退する記念に絵を描いてもらいたいといった経緯を敦美に説明したが、敦美はいい加減な返事をしただけだった。
「敦美ちゃん?どうした・・・?
なんか怒ってたような、泣いてたような・・・?」
そして、文化祭の当日、学校に出向いた冬弥は敦美の姿がないことに気が付いた。
冬弥は寮で同室の松田に事情をきいた。
「あの・・・お兄さんだから知っておいた方がいいですよね。」
「何だい?何かあった?」
「あの、敦美は妊娠してて、保健室で温かくして座っています。」
「なっ!!敦美が・・・どうして?相手は?」
「それは・・・敦美さんご本人にきいてください。
私がいうのはちょっと。」
冬弥は保健室で座っている敦美を見つけると事情を説明するようにと叫んでいた。
「享祐さんの子なの。
でも・・・言いたくない。
冬弥兄様も黙っててね。
卒業したらね、お母様のところに帰るの。
だから心配しないで。ね。」
「だめだよ。享祐にいうべきことは言わないと。
それに敦美は知ってるはずだ。
享祐が絵のモデルに手を出す男かどうか・・・。
今、描いてる娘はうちのスタッフの彼女なんだ。
独身の時の記念に絵を残したいっていうものだから、俺が連れていったんだ。」
「そう。べつにどんな人でもかまわないわ。
いいの。私・・・当分、誰にも会いたくないから。」
「お、おい・・・敦美!」