抱えきれないほどの花束をあげよう!
敦美のお腹は2月にはどうごまかしても目立ってしまっていた。
「君も強情だねぇ。そこまで卒業式にこだわらなくてもぉ・・・。」
「だって卒業したら結婚しようって言ったのは享祐さんでしょう。」
「まぁ、そうなんだけど・・・ほら、用紙1枚の方は提出しちゃってるんだし、軽く身内だけで式をやっておいてもよかったんじゃないかとね。」
「だめよ。ここまできたら、この子を産んでからみんなに祝福してもらうの。」
「はぁ・・・そうだね。
毎日、つらい修行に堪えたんだから。
まだ、寒いから風邪をひいたら大変だ。春を楽しみにしていればいい。」
「そういえば、最近の先生は何をしてるの?
絵だって描いてないみたいだし。」
「うん、ちょっとね。絵という形ではないんだが、冬弥とコラボした商品がウケたみたいでさ。」
「なあに?イラスト集?
うそ・・・え、えぇえええええーーー!!」
敦美が見たものは、メスのカモのお母さんが掃除、洗濯、料理、習い事に追いまくられているイラスト付きのお皿だった。
「あんまり敦美がかわいかったので・・・冬弥と相談したら、こういうキャラができあがってしまってね。
食器シリーズはカモなんだけど、ウサギシリーズっていうのもあってね、それは子ども用の寝具になったらしくてね。」
「へぇ・・・私をヒントに2人で稼いでたってわけね。」
「そういうつもりじゃなかったんだけど、いや、子どもができれば物入りなのは確かだし、俺の原案と背景画、それに冬弥のイラストであったかいイメージの商品ができたと思ってね。
君がお腹に語りかけてる姿を見てるといろいろアイデアが浮かんできちゃうんだよ。」
「まぁいいけど・・・あまりに仕事ばかりにならないでね。
心配になっちゃうんだもん。」
「えっ?」
「だって部屋にこもって出てこないし、ブツブツ独り言いいながらどこにいくかわかんないところに行っちゃうんだもん・・・心配になるわ。」
「あ・・はははは。芸術家の性ってことで許してくれないかなぁ。」
「しょうがないわねぇ。」
そして、とうとう雅光高校の卒業式の日。
敦美はみんなといっしょに卒業証書を手に卒業することができた。
学校の卒業アルバムではかなり太っているように見えるが、じつはお腹が目立たないように被服担当の先生が制服を改造してくれたのだった。
それから・・・お昼をはさんで、午後になってたったひとりの卒業式を迎えた。
校長先生が立っているはずの位置に享祐が立っている。
敦美は享祐の前でお辞儀をして、描いてもらった絵を享祐から手渡される。
すると、突然、体育館の入り口がバン!と開き、解散したはずの生徒たち、先生まで入場してきた。
「何なの・・・いったい?」
「みんなが祝ってくれるそうなんだ。俺たちの結婚式ってことでね。」
「えっ?だって結婚式はまだ・・・」
「そうなんだけどね。学校でやろうってことになっちゃったらしいんだ。
とりあえず、俺たちは言われたとおりをすれば儀式は終わるみたいだけどね。
どうする?ことわるかい?」
「まさか。うれしい!」
校長が知り合いの牧師まで呼んできて、手作りの結婚式が始まった。
「ねぇ、ベールとかブーケとかお金がかかってそうな気もするけど・・・大丈夫なのかしら?」
「もちろん・・・そりゃ、始める前に俺が寄付させられたから。」
「それなら大丈夫ね。」
「おい・・・」
「君も強情だねぇ。そこまで卒業式にこだわらなくてもぉ・・・。」
「だって卒業したら結婚しようって言ったのは享祐さんでしょう。」
「まぁ、そうなんだけど・・・ほら、用紙1枚の方は提出しちゃってるんだし、軽く身内だけで式をやっておいてもよかったんじゃないかとね。」
「だめよ。ここまできたら、この子を産んでからみんなに祝福してもらうの。」
「はぁ・・・そうだね。
毎日、つらい修行に堪えたんだから。
まだ、寒いから風邪をひいたら大変だ。春を楽しみにしていればいい。」
「そういえば、最近の先生は何をしてるの?
絵だって描いてないみたいだし。」
「うん、ちょっとね。絵という形ではないんだが、冬弥とコラボした商品がウケたみたいでさ。」
「なあに?イラスト集?
うそ・・・え、えぇえええええーーー!!」
敦美が見たものは、メスのカモのお母さんが掃除、洗濯、料理、習い事に追いまくられているイラスト付きのお皿だった。
「あんまり敦美がかわいかったので・・・冬弥と相談したら、こういうキャラができあがってしまってね。
食器シリーズはカモなんだけど、ウサギシリーズっていうのもあってね、それは子ども用の寝具になったらしくてね。」
「へぇ・・・私をヒントに2人で稼いでたってわけね。」
「そういうつもりじゃなかったんだけど、いや、子どもができれば物入りなのは確かだし、俺の原案と背景画、それに冬弥のイラストであったかいイメージの商品ができたと思ってね。
君がお腹に語りかけてる姿を見てるといろいろアイデアが浮かんできちゃうんだよ。」
「まぁいいけど・・・あまりに仕事ばかりにならないでね。
心配になっちゃうんだもん。」
「えっ?」
「だって部屋にこもって出てこないし、ブツブツ独り言いいながらどこにいくかわかんないところに行っちゃうんだもん・・・心配になるわ。」
「あ・・はははは。芸術家の性ってことで許してくれないかなぁ。」
「しょうがないわねぇ。」
そして、とうとう雅光高校の卒業式の日。
敦美はみんなといっしょに卒業証書を手に卒業することができた。
学校の卒業アルバムではかなり太っているように見えるが、じつはお腹が目立たないように被服担当の先生が制服を改造してくれたのだった。
それから・・・お昼をはさんで、午後になってたったひとりの卒業式を迎えた。
校長先生が立っているはずの位置に享祐が立っている。
敦美は享祐の前でお辞儀をして、描いてもらった絵を享祐から手渡される。
すると、突然、体育館の入り口がバン!と開き、解散したはずの生徒たち、先生まで入場してきた。
「何なの・・・いったい?」
「みんなが祝ってくれるそうなんだ。俺たちの結婚式ってことでね。」
「えっ?だって結婚式はまだ・・・」
「そうなんだけどね。学校でやろうってことになっちゃったらしいんだ。
とりあえず、俺たちは言われたとおりをすれば儀式は終わるみたいだけどね。
どうする?ことわるかい?」
「まさか。うれしい!」
校長が知り合いの牧師まで呼んできて、手作りの結婚式が始まった。
「ねぇ、ベールとかブーケとかお金がかかってそうな気もするけど・・・大丈夫なのかしら?」
「もちろん・・・そりゃ、始める前に俺が寄付させられたから。」
「それなら大丈夫ね。」
「おい・・・」