コント集「出産」
赤ずきん「まあ、失敗は成功のもとなんだからさ。気にしないで。新人のうちは失敗してなんぼだから」

狼「新人ってなんすか。自分ケダモノなんすけど。ただの」

赤ずきん「ただ、一つだけ言っていい?次ミスったら、次はない。そういう気持ちでやって」

狼「分かりました。これなんすか。カメラ回ってンすか」

赤ずきん「よーーい、カッ」

狼「監督もやってんすか、カメラは?」

赤ずきん「カッ。おい~~、喋んなや」

狼「はい?」

赤ずきん「遊びでやってんちゃうねんで?」

狼「はい。あの、これなんなんすか。僕、ケダモノで、人間を食べに来ただけですけど」

赤ずきん「理屈はいいねん。その、食べたさ?画面から伝わってこんと、何も意味ないやん。違う?」

狼「いや、あのね、聞いて下さい。僕ね、ただの単なるおおか、」

赤ずきん「聞けやワレェ!!!」

狼「はい!!」

赤ずきん「先輩が話してる時は先ず聞くんやろが。違う?」

狼「違いません」

赤ずきん「ふつう、そんな被り物は当然取って聞くのが普通なんやで?ただ、脱ぎ着がめんどくさいやろな~、っていう、私の思いやりやん。私も昔、全身イカ怪人やってた時に、当時、海草役の先輩に、シーンの合間に呼びつけられて、説教されとったけど、そん時は、一回一回、イカ怪人、脱いでたよ」

狼「いや、これ、被り物やなくて…」

赤ずきん「特殊メイク?おんなじことやって。わたし、昔、タコ怪人、特殊メイクでやったことあるけど、当時、サンゴ役の先輩に呼びつけられて、シーンの合間に説教されたことあったけど、その時わたし、一回一回、タコ怪人の特殊メイク落としてたよ」

狼「これ、特殊メイクじゃなくて地毛です」





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