リタイム ーre-timeー
下界へ戻る……?代表者………?

頭が追いつかないが神様はそのまま続ける。

「このことは噂で耳にしていただろう。
その噂は本当だ。お前は下界へ戻れるんだ。」



『天国にいる誰かが生き返れるかもしれない』



あの噂が本当……!!?

そんなことがあるの!?
しかも私!?


「信じられないかもしれないが、これは本当だ。
というのも、魂を送ることのできる時空の隙間を見つけた。」

私は開いた口を閉じることのできないまま聞いていた。

「そこでここにいる人たちにチャンスを与えようと思った。もう一度"生きる"というチャンスを。
しかし、それは1人しかできない。1人の魂しか送れない。
だから、平等に抽選で決めたんだ。」


…………驚きで唾も飲み込めない。

でも、本当に…………
本当に本当なら…また生きることができるの…?
また、あの頃に戻れるの…?

私は半信半疑ながらもその神様の言葉に少しの光が見えた。


だが。


「もちろん、死んだ人間が生き返るなんて、本来あってはならない。

お前が死んでからも下界の時間は止まっていない。ずっと進んでいる。
こんなことがあっては大きな罪になる。」


…どういこと……?


「だから、お前には別の姿で下界へ行ってもらう。別の姿にお前の魂を送るんだ。」


「!!?」

別の姿…!?

「あ、あの…」

神様の説明を遮って質問をする。

「別の姿でも私の生きていたときに関わってきた人たちに会えるんですか?」


「ああ、もちろんだ。でないと意味ないからな。」

よかった…。

仕方ないよね、死んだ人がまた現れちゃそれは怖いしね…。



でもまた皆に会えるなら…別の姿でもいい。

………光が大きくなった。



「続けるぞ。」

「は、はい…」


「さっきも言ったが、本来あってはならないことをしているんだ。

別の姿といっても、本来あってはならない人間を無理やり作るのと同じこと。
そんな人間がずっと存在しては下界の未来を大きく変え、大きく時空が歪むことになる。

……言ってる意味、分かるか?」



「……?」

分からない。どいうことだろう。

でも、神様の言い方になんだかすごく恐怖を感じた。


「お前が下界へいられるのにはタイムリミットがあるということだ。
ずっとはいられるわけが無いんだ。

そうだな…せいぜい1年間が限界だ。」


「!!!!?」

たいむ…りみっと…?
い………いち……ねん………?


光が……………消えた。
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