失恋ワケあり両想い(仮)




『……は、悠……?』




悠によく似た瓜二つの顔立ち。


背丈も悠と同じなのに、雰囲気がまるで違う。


彼の顔が一瞬、儚さを帯び困ったように笑った。




『こうして話すのは、初めてだな。今までクラスが違うから会う機会がなかったが、家に来たとき1回あってるんだが覚えてるか?』


『……悠の兄の』




私の言葉にゆっくりと頷く。


悠の家に遊びに行ったとき、確かにあってる。


悠に瓜二つ双子のお兄さん。


でも、あの時は悠に似てるなんて感じなかったのに――




『――悠と俺は一卵性だから顔も背丈もほぼ同じなんだ。ただ、俺の方が悠に間違われるのが疲れてな……メガネかけたり髪伸ばしたり、悠と区別がつけられるようにしていた』




私のキョトンとした顔でなんとなくわかったのだろう。


説明してくれる。




『そう、だったんですか……』


『それと、1回と言ったが訂正する。心優さんと会うのはこれで2回目だったな』




〝え……〟と、言う私の疑問符に彼は言いにくそうな顔で言葉を少し躊躇う。
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