失恋ワケあり両想い(仮)



――城岡 悠。

希の弟で私の元彼。


悠と私は高校の頃、約2年半付き合っていた。


***


高校3年の冬。


高校生最後の季節は、2人とも勉強や進路で忙しくてなかなか遊べてなかった私たち。


それでも、高校生最後のクリスマスだけは一緒に過ごしたいとその日は予定を入れないようデートの約束をしていた。


12月24日。


待ち合わせより10分も前に着いた私は久しぶりに会える喜びで少し緊張していて髪型や服をお店のガラスで整え店内に入る人と目が合うたびちょっと恥ずかしくなる。


待ち合わせの時間から20分経った。


おかしい。


彼が待ち合わせに遅れること自体変なのに20分も経っている。





『まだかな……』




――妙な胸騒ぎがした。


大きな車の衝突音と辺りの人の悲鳴で人が騒ぎの方へと流れ出す。


私もそっちへ向かおうとしたとき足が震え膝がカクンと曲がって地面につく。






『そんなはずない……!』





まだ、彼だと決まったわけじゃない。


けど、周りの言う事故にあった人の特徴が彼に当てはまるのだ。
< 4 / 15 >

この作品をシェア

pagetop