失恋ワケあり両想い(仮)
『……は…る、か……』
あぁ、なんか夢みてるみたい。
ずっと、会いたかった。
やっと、やっと私の元に――私を迎えに来てくれた。
『心優さん!?おい、確り――』
ふふ、そんなに声を上げなくてもちゃんと聞こえてるよ。
困った顔しないで?
大丈夫、少し眠いだけだから……。
遠のく意識とぼやける視界。
神様、
どうかこれが夢じゃありませんように――
***
消毒と薬の匂いと誰かの話し声。
ここは、どこだったっけ……?
私、学校に来て前方不注意で誰かとぶつかって倒れて、それから、それから――
『――っ!は、悠!?』
その声を第一声に飛び起きる。