私の嘘を完成させて
「ほーら。もう終わり。
困ってるでしょ。」
うんざりしている顔をみて空気を読んだ
眼鏡さんが助け舟を出してくれた。
それでも喋り続ける3人組。
黒髪の彷徨と呼ばれる男は
なぜか私にジーッと視線を
向けているのが分かる。
目を合わせるな。
本能がそう叫ぶ。
この場を早く離れろ。
「じゃあ。私はこれで」
返事も聞かないで
相手に背を向けて歩き出す。
「待てよ」
その呼ばれる声は低い
誰が呼んでるかなんて
振り返らなくても分かる。