私の嘘を完成させて
「何もされてねぇか?」
水ではりついた前髪を
かきあげるその姿は
妙に色っぽくて思わず
見とれてしまう。
水も滴るいい男とは
彷徨みたいな事を言うんだろう。
「おい」
「あっ。うん。
何かされる前に来てくれたから。」
今頃あの3人は
どうなっているんだろう…
想像するだけで恐ろしい。
「南那」
何?と返事をする前に
もう一度ギュッと彷徨に
抱きしめられる…
「あんま心配かけんな。
…頼れよ。」
苦しそうに言う彷徨に
胸が締め付けられる。
どうしてこの人は
私にこんなに…