私の嘘を完成させて
最悪な転入先
元々少ない荷物だったから
片付けも半日で終わって
学校が始まるまでの間は
ほとんど家で過ごした。
有り難いことにあの日以来
隣人には会っていない。
きっと会ったとしても
軽く挨拶を済ませて
早急にその場を立ち去ればいいだろう。
転校初日。
新しい制服に袖を通して
鏡を見つめる。
「行ってらっしゃい。」
自分にそう呟くとか
きっと周りから見れば
気持ち悪いに違わない。
でも私はこれでいい。