私の嘘を完成させて
「皆は夏休みどうするの?」
「皆実家に帰るよ」
「…そうなんだ」
愁の言葉に若干ビックリした。
毎日彷徨の家にいるから
もちろん夏休みも
入り浸るんだと思ってた。
だけど。
皆には帰る家があるんだもんな。
家族と仲が悪いわけじゃ
ないらしい。
残り少ない高校生活は
好きな事やって過ごすらしい。
「まぁ帰るって行っても
1週間くらいだからね。」
1ヵ月と少しある夏休みなのに
1週間しか帰らないんだ…
私は夏休みどうしようかな。
「南那ちゃんはどうするの?」
「うーん。特に決まってないけど…
旅行行こうかなって思って。」
漠然とそう思った。