私の嘘を完成させて

そんな睨みつけにも
もちろん動じない男は
静かに笑って

「遅れんなよ」

エレベータに乗った。

「ちぇ。彷徨の奴ー」

「まぁ。ここまで毛嫌いされちゃったらね。」

諦めてくれたようだ…。

「とりあえず南那ちゃん。
また帰ってきたら詳しく話すよ。
まぁ。その前にきっと知ると思うけど。」



帰ってきたらって…
私に拒否権はないのか。

その前にきっと知るって…

そこまで教えてくれるのなら
今教えてくれればいいのに。

謎の5人組は
元気に消えていく。

私も早く家を出たいけど
今出たら外で鉢合わせだ。
それだけは避けたい。

後10分したら出よう。




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