私の嘘を完成させて
「南那ちゃん。」
私の家の玄関の前で
体育座りをして
子犬の様な目で私を
見つめる海の姿。
そんな海の姿に
少し笑いそうになったけど…
「どうぞ」
堪えて海を
家の中に招き入れた。
「大丈夫?」
「うん…ごめんね。」
彷徨に怒られたのが
よほど堪えたのか
あからさまに落ち込む海。
「皆心配してるよ。」
「うん…。」
まあ。あんだけ
勢いよく飛び出したんだから
戻りづらいよなぁ…。