私の嘘を完成させて

「行くよ。」

今度は愛の手を
握って歩き出す。

「ちょっ…
離してよ!!」

後ろでうるさく
叫ぶ愛を
無視して歩き続ける。



「海ってば!!」
「ふざけんな!!
何変な親父に
着いて行こうとしてんだよ!」


初めて愛に怒鳴った。


素直に腹が立った。

そうこれは八つ当たり。

愛の気持ちに
気付かなかった事。

俺の一言で
傷付けた事。


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