私の嘘を完成させて
「ほんとバカね。」
呆れた声が聞こえて
思わず顔を上げる…
「え…なんで…」
愛は目に涙を
溜めて少しだけ
笑っていた。
「私、男の子の中で
海が一番かっこいいって
思ってたよ。毎日。
海の足が遅い所。
周りの男の子より
少し背が小さい所。
照れ屋な所。
友達と楽しそうに
話してる所。
私の中で海は
一番輝いてた。
でも、その反面
自分に自信がない海に
イライラしてた。
それでもっ・・・
私は海がっ…」
愛の言葉を聞き終わる前に
力強く抱きしめる。