私の嘘を完成させて

新は料理をしにキッチンへ、

愁と栄斗と愛ちゃんは
買い出しへ。

私と彷徨と海は
リビングでくつろぎ中。

なんだけど…

「海、ちょっと来い。」

「はい…。」

私一人残して
ベランダに出た二人。

きっと私には聞かれたく
ないんだろうなぁと思い
何も言わずテレビを見る。

けど気にならないと言ったら
嘘になるからベランダを見る。

会話は聞こえないから
表情を見るしかないんだけど。

彷徨が微笑みながら
海の頭を撫でていて。

海は嬉しそうに
はにかんでいるから

きっといい話なんだろうな。

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