私の嘘を完成させて
「俺は南那を家族だと思ってるよ。」
「…ありがとう。」
尚人さんの顔を
見つめてお互い小さく笑う。
「じゃあもうすぐ始まるから
職員室行ってくるよ。」
「あぁ。」
気付いたら学校が始まるまで
もう時間がない。
一応転校生の立場だから
遅刻なんて出来ないし
皆勤賞の夢が
初日にして潰れるのはごめんだ。
「あっ!南那!」
チャリンッと投げられたそれは
どこかの鍵…
「なにこれ。」
「屋上の鍵ー
疲れたらそこで休みな。」
「屋上って・・
生徒に渡していいの?」
「ん?そこは理事長の権限。」
「あっそう…」
大丈夫か。この理事長は…
まぁでも、
これは有り難くもらっておこう。