私の嘘を完成させて
あ
「お味はいかが?」
「…美味しいです。」
なぜか今私は
彷徨の家で新特性の
ビーフシチューを食べている。
「何このビーフ!
口の中でとろける~」
「さすがだね。新。」
「当たり前でしょーよ。
誰が作ってると思ってるの。」
男子の食欲は本当にすごい。
かなり大きめの鍋で
煮込んでいたビーフシチューも
もう底が見えている。
彷徨はもう食べ終わったのか
外で煙草を吸っていて
栄斗と海はテレビの真似か
食レポをし合っていて
愁はずっとパソコンをいじっている。
この人達自由すぎじゃない?
「…ごちそうさまです。」
悔しいくらい美味しいけど
私の胃袋にはそんなに入ってくれない。