私の嘘を完成させて

「彷徨、飲み物もらっていい?」

この人達は無視しよう。
どうせ私に拒否権はないんだから。

「冷蔵庫になんかしら入ってる。」

勝手に開けて飲めって事か…。

ギャーギャー言い合いしてる
皆をほっといて冷蔵庫に向かう。

「お。ラッキー」

一言呟いてそのまま
気付かれないように
ベランダに出る。

煙草に火をつけて
冷蔵庫から持ってきた
缶を開けてグビっと飲む。

「ぷはっ。うまっ」

「この不良娘。」

「…タイミング図ってんの?」

この男はいつもタイミングが悪い。

「…彷徨」

< 51 / 402 >

この作品をシェア

pagetop