私の嘘を完成させて
ダメだ。
この人達といると
私が私でなくなりそう。
「おーい!こっちで飲もうぜ~」
ほろ酔いなのか口数が少ない
栄斗が機嫌よくベランダを開ける。
いつもタイミングが悪いのに
この時だけは助かった。
結局飲むに飲んで
最初に潰れたのは栄斗。
その次は海。
この二人は弱いんだな…
それに比べて後の
三人はぴんぴんしてる。
「南那ちゃん酒強いんだね。」
「…別に」
「そんだけ飲んでて
酔わないとか引くわ。」
気が付くと0時。
「私もう帰っていい?」
「あ。もうこんな時間か。」
「嬢ちゃん寝坊すんなよー」
はいはいと軽い返事をして
玄関に向かう。
「大丈夫か?」
靴を履いて出ようとすると
彷徨に意味のわからない事を言われる。