ラフに生きて、君の強さに嫉妬する。




美術部のドアの取っ手に手をかけて、勢いよくドアを開けた。




大丈夫、がんばれわたし。




「あの!入部希望なんですが!」














「んっと、俺は3年の美術部部長のゼン。好きなように呼んでね。
で、この無愛想な顔の男は2年のアオイ。これからよろしくね!」





そう紹介してくれたのは、ザ、イケメンって感じの人。




優しそうな顔をしていて、ニコニコ笑っている。



背も高くて、これはモテるなぁなんて、考えていた。





2年のアオイって人は、部長…さんが言った通り無愛想な顔をしている。




ムスッとした顔で私をじっと見つめていた。






「ほら、アオイも挨拶しなよ」




部長さんにそう言われたアオイって人は、座っていた椅子から立ち上がって、だるそ〜に、



「2年のアオイですー。趣味はありません。よろしくー」



と、私に挨拶をする。




挨拶をし終えると、また椅子に座って、私に背を向けて、何か作業をし始めた。





うわっ、この人なんかすごい。





第一印象はそんな間抜けなことしかでてこなかった。





「ごめんね、こんなやつで。
いい子なんだよ。仲良くしてやって」





困ったように笑う店長さん。




へぇ、いい人なんだ。




いけないとわかっていても、全然いい人そうにはみえない。




人は見た目じゃないよね。





「1年の美波です。
よろしくお願いします」






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