ラフに生きて、君の強さに嫉妬する。
放課後、部室に入るといつも不機嫌そうに椅子に座って窓の外を眺めているアオイさんがいなかった。
いるのは部長だけ。
もしかしてアオイさん…
「休みだって」
私の考えていたことをまるで読み取ったかのように、そう言った部長。
やっぱりアオイさん休みなんだ。
「昨日のアオイさん、辛そうでしたもんね…」
そう言うと、部長はハハッと笑って、「あれはアイツが悪い」と言う。
たしかに、傘を持ってこればいい話だもんね。
「さて、今日は校庭に行って校舎の絵を描こうか」
そう言って、画用紙と鉛筆2本、消しゴム2個を取り出す部長。
校舎の模写…
描くものが決まっているから、まだ模写はできる。
でも、自分の想像した世界を描こうとか、そういうのは無理。
「じゃ、行こうか」
部長はそう言って部室の扉を開いた。