ラフに生きて、君の強さに嫉妬する。
*
「…美波ちゃん、ほんとに中学のころ美術部だったの?」
部長は私の描いた絵をみながら、困ったような口調でそう言う。
私の描いた校舎の絵…
それは、小学生が描いたような絵だった。
あれ、私、模写は得意なはずなんだけど…
「美、美術部でしたよ」
「なんか…もうちょっと頑張れないかな」
「これでも一生懸命描きました…」
美術部なのに、劇的に絵心がない私。
中学のころは、美術部の私に体育祭の応援パネルを描いてもらおうとなって、応援パネルを描く係りになった。
青団だったから、頑張って龍を描いたつもりが、ヘビだのなんだの言われ、非難殺到。
美術部だからって絵がうまいとか思うなっ。
とでも、言ってやりたかった…
「すいません、下手ですよね…」