ラフに生きて、君の強さに嫉妬する。
消しゴムで描いた絵を消そうとしたとき、部長にその手を止められる。
ぎゅっと掴まれた手が固まってしまった。
いや、わたし自身が固まってしまった。
男の人に手つかまれた…!
「消す必要なんてないよ。自分が一生懸命描いたものなんだから」
「でも、これはあまりにも下手だし…」
私がそう言うと、部長が私の腕を掴んでいた手に力を入れる。
「ゆっくりでいいんだよ。焦らず、ゆっくりと上手くなっていけばいいから」
そして、ゆっくりと掴んでいた手を離した。
部長の言葉は、私に自信をくれる言葉みたいで、自然と頬が緩んでしまった。