ラフに生きて、君の強さに嫉妬する。
シュンとしていると、アオイさんの手が私の頭にポンとのっかり、アオイさんが私の絵を私の目の前にやった。
「一本一本の線がフニャフニャだからこーなんだよ。
もっとまっすぐにひかないとキレイにみえない」
私の絵を指差しながらそういうアオイさん。
キョトンとしていると、アオイさんが私をみてニッコリ笑い、
「練習あるのみ!」
と言った。
その瞬間、ちょっとだけドキッとしてしまい、俯く。
やさしい。
ここの先輩たちはみんな優しすぎる。
どうしてこんなに優しいの?
ここの空間があったかくて、
居心地がよくて、
ずっとここにいたくなる。
私は、この美術部にはいってよかった。
心からそう思えて、この高校生活がとても楽しいものになる予感がした。