ラフに生きて、君の強さに嫉妬する。





私は美術部の部室の前に立っていた。



明るい電気がついていて、明るい話し声が聞こえてくる。




美術部のドアを開けるのになかなか勇気がでない。




なんでだろう。


教室のドアなら簡単に開けられるのに。




新しい一歩を踏み出すことは勇気がいること。




でもこれは、新しい一歩っていえるのかな。




新しい一歩って、そもそもなに?



部活を始めることなの?





でも、今の流されている自分から、自分のやりたいことを探すのは、


少なくとも新しい一歩だと思う。





友達の誘いを断ったのも私の新しい一歩。




ただあわせるだけじゃなくて、


自分の意見をもつこと。





自分の意見をもつだけじゃなくて、ちゃんと、相手に伝えないと、それは変わったっていえない。




私は自分が嫌い。




自分には何もないくせに、人を見下すだけ見下して。




本当に見下されるべきなのは自分。





うすのろでへろへろしてる自分はもっと、変わらなくちゃいけない。




頬をパンっと軽く叩いて、口にきゅっと力を入れる。



「…よし」




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