【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち



「小競り合いですか?」


先程の電話の内容を尋ねると由香里さんはまた小さく頷いた。


極道がひとつになったからといって仲良く極道をしているわけではない。


何年もの月日が流れあの日の誓いが薄らいでしまったわけでもない。


極道の生き方から起こるものだ。


そのひとつひとつは以前から比べれば小さい事ではあるが、その小さな火種が大きな争いを生む可能性も大きいわけだ。



「傘下の中での小競り合いだから上手く片づけてるわ」


「どこ?」


「今は南」


「五郎ちゃん忙しいのかな」


「平良が出ていくまでもないわよ」


その言葉に私は大きく安堵の息を吐いた。


五郎ちゃんが忙しいという事は、どれほどの事なのか私にもわかる。


そうなった時の事を考えるのも怖くて仕方がない。



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