【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
そして、大きく息を吐き出すと
「何からお話しすればいいですか?」
真っ直ぐな瞳が小川に向いた。
「それでは、なぜ公園に行ったのか、からお話しいただけますか」
「それは、どうしてですか。極道だから疑わしいのですか」
結衣から返ってきた言葉に噂に違わぬ人だとすぐに感じとった。
詳しく理由を説明していくと、快く話を始め、
まるで極道らしからぬ様々な行動に耳を疑った。
「三兄妹ですか」
「そうなんです。仲睦まじいって笑っていたんです。それなのにこんな事になっちゃって」
おいおい、平良と三浦と兄妹って俺なら遠慮したいぞ
五郎ちゃんと言ってから何度も平良さんと言い直す姿に呼び慣れていない事はまるわかりだ。
五郎ちゃんと呼ぶ間柄は事実なんだな。
一通り話が終わるとこれで大丈夫ですか?と心配顔。
「十分です」
結衣に怒っている様子がなく小川は安心した。
ところが、
「あのひとつ伺いたいんですけど」
遠慮がちに聞いてきた。
「なんでしょう」
「あの警察官の人に会いたいんです」
結衣からその言葉が出た瞬間、小川の背中は凍り付いた。
響と隼はそれを笑ってみているが結衣の目は真剣だった。