【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち



「あ、三浦さん自転車の鍵」


「もう組のもんに取りに行かせたんで大丈夫でごぜぇやすよ」



「さすが三浦さん。ほんとすごい。ねっ隼そう思わない?司、今の聞いたでしょ?さすがなのよ凄いのよ。パパ、これが三浦さんなのスーパーマンなのよ」



私のテンションが高くなっているのはすっかり安心した喜びだと自分自身が感じる。



だからきっとここにいるみんなにもそれが伝わっている。



それに私だけじゃなく、響さんも隼もそして三浦さんだって嬉しそうだ。




「あ、小川さん。私、五郎ちゃんを撃った犯人の方がずっと許せないですから。鳩だって命あるものだしあのご老人たちに刺さったらと思うと本当に許せないんです」



「私も同じ気持ちだ」



「そっちは法にお任せするしかないですよね」




「結衣そっちは、って」



もう隼たちはその続きがわかってクスクスと笑っていて



「帰ったら植木さんたちと八重さんにも電話して潰し方教えてもらいます」



「笑えねぇ~」



笑えないと言いながら誰よりも病院の廊下で響さんが大声で笑った。



そして病院の前で小川さんに挨拶をして別れた。



小川さんは、極道を毛嫌いしている人ではないのがわかった。



悪を憎んで人を憎まず。そんな感じの方だった。



私を先に車に乗せると、隼と司は何か話しをしていて


司が隼の肩をポンポンと叩くと隼も車に乗り込み、司とはそこで別れた。






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