【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち


現実を知っていたのかもしれないなと小さい呟きが聞こえた。


えっと顔をあげると


「極道が問題で道を阻むのならどんなに反対に合おうと私の実家の養子に出しても夢をかなえてあげようと思ってたのよ。だからしつこいぐらいに聞いたわ」


そして響さんもまた


極道なんざなりたいやつがなりゃいい。だが組を背負っていく人間はそれなりの覚悟と組を守るという確固たる決意の出来る人間じゃなきゃなれねぇと言っていたそうだ




無理やり押し付けられるわけじゃない状況の中で隼は何をもってその確固たる決意をしたのだろうか。


そんな事を考えているとトコトコと小さな足音が聞こえノックもなくドアが開くと



「ママはやっぱりここだったか」


「菫お帰り。お着換えして手を洗っておやつにしようか」


立ち上がりドアの外にいる桐生さんに


「いつも中まですみません」と頭を下げていると


「いいの。ママが下まで来たらきーたんといる時間が減るでしょ」


「はいはい」


本当に菫は桐生さんにぞっこんだ。


間もなく到着を知らせる電話を桐生さんが掛けようとするだけで車内で大泣きをするらしくそれ以降無事に戻ればいいとお願いした。



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