【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
隼と響さんはいささか、いや相当に面白くない様子だが見ている私や由香里さんにはこの上なく面白い。
「きーたん後でね」
何とも気安く声をかけるとスタスタと部屋へ向かい歩き始めた。
「琉はまだ寝てるからいいわよ」
由香里さんの横ですやすやと眠る琉を置いて部屋へ戻ると苦手だったボタンも上手に外し
脱いだ服をポイポイと投げ捨て
みんなの希望や夢が溢れるレースやリボンのついたワンピースには目もくれずにトレーナーとズボンを履くと靴下も投げ捨て洗面所に駆け込んで行った。
「菫、脱いだものは「おやつは、わーさんにもらうから」」
私の話も右から左へと聞き流す前に聞く気すらない様子でパタパタと足音が遠ざかって行った。
「毎日これじゃ桐生さんが大変だわ」
洗濯機の中へ菫の脱いだものを放り込むと私も食堂へと向かった。