【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち


「寄るか?」


「寄ろうか」


向かう先はひとつ路地の向こうにあるBRLILIA



重厚なドアは今日は隼が開けてくれる。



フロントで会釈をしてフロアを見るとカウンターに並ぶ司と明日実さん



「ねぇ見て」


私が吹き出すと隼も吹き出す。



春香さんから情報は得ていた。


大和さんはしっかりとスパイ活動をしていたからだ。



それでもたわいもない会話みたいよなんて飛びつきたい話題は聞かれない。



「よぅ」


大和さんの声で司と明日実さんが私達の方へ振り向く。



「そこ、私と隼の席だから」


「どけよ」


「どかねぇよ」「いやよ」



心にもない言葉を交わし合う。



まだ早い時間とあって私たちもカウンターに。


言わなくても出されるジーマと生ビール


カツンとグラスを合わせるのも挨拶がわり。




「何、二人でデートだったの?」


「それこっちのセリフ」


明日実さんの問いかけに笑って答えた。





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