【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち


たぶんそんなに特別な事をしてないように思うのだけれど


自分でも気づかないうちに人に心配をかけたりハラハラさせているという事は、あまりに言われるからそうなんだろうなと最近は認めざるを得ない。




「ううん結衣ちゃん、結衣ちゃんの発想っていうか行動も言動もピュアな人だって本当に思うのよ。だから可愛くて仕方ない気持ちが痛いほどわかる」



明日実さんは私の頬をもふもふと弄りながら笑う。



「こんな黒い世界に入れた罪深い男は地獄行きよ」


「抜け出したかった人を道ずれにする男も地獄行きだと思うよ」


私と明日実さんはカツンとグラスを合わせた。



「極道で生きていく決心ついたの?」


小声で囁くと


「今回、結衣ちゃんをすごく近くで見ていてね、自分次第なのかなって思ったのよ」


「明日実さんの自分次第は間違いないと思うけど、私は素人だから間違いが多いのよ」


「素人ってあははは。あはははは」


明日実さんはごめんごめんと言いながらも時々思い出したように何度も笑った。




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