【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち


夕食の時間になっても隼は帰って来なかった。


帰宅してきた響さんを玄関へ迎えに出ると由香里さんにするように私の顔を見て目が合うとひとつ頷いた。


私も頷き返したけれどここが問題だ。


私が思い浮かんだ事と響さんが伝えたかったことが一致するかという事だ。


考えただけでも何通りもある。




・大丈夫だ。心配するな。

・解決した。

・おとなしく家にいたな。

などなど考えればあれこれ思いつく。



「パパ」


口を開いた私の頭を以前と同じように撫で


「結衣、全部だ全部」


そういうと大声で笑いながら颯爽と廊下を歩いて行った。


私がわからなくても響さんが理解してくれるからOKってこと?


独り言ちると響さんの後に続き



「ママは菫と琉と食堂なんです。お着換え手伝いますよ」


「あははは結衣、大丈夫だ。すぐに行くから先に行ってなさい」


「はい」


もしかするとあれこれ聞かれるが困るからだったりして。


いや、響さんはいつも大丈夫だって言うかな。


考え過ぎ?


食堂へ向かって歩きながらそんな事を思っているとふとある事に気づき足が止まった。




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