【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
司の申し出が有難くて仕方ないはずだ。
それに窮地から救ってくれたのも司だから守ってくれる安心感もあるわけだ。
私なら絶対にそう。
「私は外に出してもらえなくて半年以上屋敷の中だった」
「当時だとそうだろうね」
契を交わす前はもっと警戒が必要だったからだ。
私自身も怖さから抜け出す事に時間が必要だった。
極道で生まれ育った明日実さんはそんなに時間がかからないだろうと司は言う。
明日実さんも
「警戒心はあるからね。友人だったって事がショックなだけ。友人が信じられなければ道行く知らない人なんてもっと信じられない」
「道行く知らないやつは、お前が極道の娘だって知らねぇんだよ。気にもとめねぇよ」
「そっか」
こうやって思いつく不安を口に出せばいいと思う。
話すことでその解決方法や疑問の答えがみつかっていく。
「じゃあ快気祝いはBRILLIAってことで。焦らなくていいからね」
「うん。結衣さんありがとう。若、よろしくお願いします」